コロナ融資後の経営難に直面されている方へ
コロナ融資によりいったんは息をついた会社も、その後業績が回復することのないまま、コロナ融資の返済が開始され、相手方の契約不履行や取引先の倒産等も相まって、会社の資金繰りに窮されている会社の方からご相談を頂いております。
そのような苦しい状況に直面し、どのような対策をとるべきか悩まれている方も多くいらっしゃることと存じます。
当事務所では、会社の資金繰りや破産手続等に関するご相談については、複数弁護士による相談により、多角的に検討しています。法律相談を通じて会社や経営者が次の一歩を踏み出すための、具体的なアドバイスや選択肢の提示を心掛けています。
お一人だけで悩まれることなく、弁護士にご相談いただくという選択肢をご検討ください。
会社の資金繰りに関するご相談
よくあるご相談事例
三輪知雄法律事務所には、以下のようなご相談が多く寄せられています。
- 新規受注の大幅な減少、相手方の契約不履行や取引先の倒産に直面するなどして、借入金の返済が困難となったケース。
- 下請業者に対する管理がうまくいかず、支払や経費が膨らむ一方で、元請や施主からの工事代金の支払が遅れており、別の下請業者への支払に窮するケース。
会社が「資金繰り交渉」を続けることで、本業に生じる影響とは?
上記のようなご相談のケースでは、「支払を持ってもらう」などの交渉を経営者や会社の担当者が行うことが考えられます。
しかし、何の前触れもなくこのような話をされますと、取引先は直ちに事態を受け入れることができません。
結果、取引先が、営業時間中に会社や他の顧客のところにおしかける、夜間に社長の自宅に押しかける、さらには、社長に対し会社や経営とは全く無関係な親や家族からの借財を求められるなど、かえって会社の資金繰りが苦しくなるような支払を余儀なくされる危険もあります。
このように資金繰りに関する対応を誤ると、社員や他の取引先にも経営不安の噂が広まり、会社の本来の業務にも支障が生じたり、差し押さえや訴訟に発展するケースもあります。
会社の資金繰り交渉について当事務所のサポート
社長や担当者が「会社の資金繰りや負債交渉」を続けるデメリット4点
会社の資金繰りに行き詰まり、経営危機に直面した方の中には、会社を続けたいという思いを持ちながらも、資金繰りや負債の問題にどのように対処すべきか、お困りの方も多くいらっしゃいます。
社長や営業担当者が資金繰りや負債に関する対応を続けると以下のようなデメリットがあります。
会社の担当者が資金繰り交渉を続けるデメリット4点
- 資金繰りや負債に関する対応に長時間拘束されることにより、業務効率が低下し、他の業務でクレーム等を引き起こすおそれがある。
- 度重なる謝罪、自宅に押しかけられたり、家族からの借財を求められたりして、社長や担当者が精神的に追い詰められ、職場環境が悪化、離職者が増える。
- 資金繰りを維持するため、不当な値引きや金銭の要求に応じざるを得なくなる。
- 資金繰りや負債の対応に時間と労力をさんざん費やされた上で、合意に至れなければ、差し押さえや裁判の提訴などによりさらに損害が拡大するおそれがある。
これらのデメリットをできる限り抑え、資金繰りや負債に関する問題を解決するために、早期に弁護士への相談を行い、会社の対応を決定することが重要です。
三輪知雄法律事務所の「会社の資金繰りや負債交渉サポート」3点
1.債権者との直接交渉(リスケ交渉)
まず、債権者との直接交渉により、債務の弁済を先延ばしするなどして、資金繰りを確保することが考えられます。
銀行からの借入金の「リスケ」というと、イメージを持ちやすいと思いますが、具体的には、取引先に対する支払の繰り延べや、利息のみの支払とするなど、支払条件の変更を伴った交渉をいいます。
法律的には、「任意整理」という用語で呼ばれることもあります。
三輪知雄法律事務所にご相談頂いた場合には、まず、担当弁護士が相談会社様の現状をお聞きします。キャッシュフローや今後の売上見込等を元に、リスケして確実に支払える金額を打ち合わせの上で決定いたします。
そのうえで、依頼会社様と担当弁護士で、債務の内容・性質や、債権者・取引先の属性等をふまえ、打ち合わせを行い、以下のいずれかの交渉の方法を決定します。
債権者や取引先との交渉方法
①経営者様や会社の担当者様のみで、債権者等に説明・交渉を行う。
②弁護士から文書を送付のうえ、経営者と弁護士が同席する形で、債権者等に説明・交渉を行う。
③全面的に弁護士を窓口とする形で、債権者等に説明・交渉を行う。
取引先に対する支払の繰り延べや支払条件の変更を伴う交渉を、経営者様や会社の担当者様のみで行う(①)ことも可能ではありますが、先に述べたようなデメリットがあり、あまり長期にわたって継続することはお勧めできません。
リスケ交渉は、感情的にならずに支払条件等を交渉できる弁護士が、経営者様と同席の上で行ったり、交渉窓口を弁護士とするなど、会社の本業に影響しない形での対応が好ましいと考えられます。
2.裁判所を利用しない再建手続(私的整理)
会社の再生・再建を検討するうえで、裁判所を利用しない私的再建(私的整理)を選択するか、裁判所を利用した法的再建を選択するかの判断は、極めて重要です。
いずれの手段も、メリットとデメリットがありますが、必要な債権者の同意をすべて得られる見込みがある場合には、私的再建(私的整理)を選択した方がよい場合もあります。
三輪知雄法律事務所にご相談頂いた場合には、まず、担当弁護士が相談会社様の現状をお聞きします。現状を包み隠さず担当弁護士にお伝えください。
会社の営業状態、債務額、キャッシュフロー等から、再建を目指す場合には、実現可能性の高い再建手法を共に検討します。
私的再建を行う場合には、会社の税理士等と協力して、会社の再建計画を作成し、金融機関等に提示する準備を開始します。
三輪知雄法律事務所には、税理士資格を有する弁護士も所属しておりますので、一般の弁護士よりも、再建の見通しに関するミーティングに柔軟に対応可能です。
金融機関等には、会社が破産して清算するよりも、私的再建に応じて経営を継続してもらった方が有利であることを理解してもらう必要がありますので、会社の再建計画は、具体的で実現可能性があるものでなければなりません。
これらの説明や交渉は一筋縄ではいかないものですし、金融機関等も組織である以上、担当者と会社の判断が異なる場合もあり、簡単に協力が得られることはありません。粘り強く交渉する必要があります。
大口の債権者や担保権者の同意が得られそうもない場合、同意を得る交渉を行う時間的余裕がない場合には、裁判所を利用した法的再建を選択することになります。
3.裁判所を利用した手続(会社の破産、民事再生)
会社の経営・負債の問題でお悩みの方が、裁判所を利用して経済的な再スタートを切る手続としては、会社の破産と民事再生という手段があります。
会社の破産という手続は、会社の再建は諦め、会社の財産と債務を清算します。これにより、一切の資金繰りの悩みから解放される手続となります。
民事再生という手続は、債権者の過半数(頭数と議決権)の賛成と裁判所の認可を経て、全債権者に対する債務を圧縮して、会社を再建させる手続です。
会社の破産・民事再生に関する三輪知雄法律事務所のサポート内容
1.方針の決定
相談者様と三輪知雄法律事務所の担当弁護士で以下の点について打ち合わせを行い、方針を決定します。
・売上やキャッシュフローから、経営再建が可能か、破産を選択するのか。
・従業員の処遇・解雇はどうするか。
・いつ受任の通知を送付するか。
・破産の場合、代表者の破産も必要かどうか。
2.債権者に通知を送付し、取り立てをストップさせる
債権者に、担当弁護士が窓口になることと、代表者への直接の連絡を取らないように通知し、会社や代表者を取り立てをめぐるトラブルから会社と経営者を保護します。
3.従業員への説明、解雇のサポート
破産の場合は、従業員を解雇することとなりますが、解雇手続に関するアドバイスや通知等の作成を行います。
民事再生の場合には、必要に応じて、再生手続に関する説明や解雇手続に関するサポートを行います。
4.裁判所や関係機関へ提出する書類作成
適切な時期・内容にて裁判所への提出書類、資料を作成します。破産や民事再生に必要な書類、資料はかなり多くなりますので、効率よく準備を行うことが必要になります。
5.在庫処分や金型返還などの交渉のサポート
破産手続、民事再生手続においては、取引先(の弁護士)から在庫の処分や金型の返還請求がなされることがあり、これらについても弁護士にて対応します。在庫の処分などは、条件を整えてタイミング良く行う必要があります。
6.債権者集会・説明会、管財人(破産)、監督委員(民事再生)への対応サポート
破産・民事再生とも、裁判所で手続が受理されると、債権者集会・説明会が行われたり、裁判所から選任された管財人や監督委員が手続の妥当性について調査を行うことがありますが、その際も、集会等に担当弁護士が同席し、管財人等に対して必要な説明を行いサポートを行います。
リスケ(任意整理)・私的整理・会社の破産・民事再生についてのポイント解説
リスケ交渉(任意整理)のポイント
リスケ交渉(任意整理)のポイントは以下のとおりです。
1.リスケ交渉(任意整理)とは
リスケ交渉(任意整理)は、返済計画を組みなおして、返済に猶予を与えてもらえるよう債権者と直接交渉する方法です。
リスケ交渉(任意整理)は、返済条件を緩める交渉(返済期間の延長、月々の返済額の減額等のリスケジュール交渉)が主となります。
債権元本そのものを減額することは、現実的には困難です。
2.リスケ交渉(任意整理)の留意点
リスケ交渉(任意整理)においては、返済計画の組みなおしによって、今後債務の弁済を継続することができることを債権者に説明し、納得させなければなりません。
そのためには、事業計画等を策定し、今後の資金繰りについて説明しなければならない場合もあります。
リスケ交渉(任意整理)のメリットは、交渉の相手方となる債権者、取引先を選択できることです。
リスケ交渉(任意整理)においては、交渉の相手方債権者以外には、原則として、リスケ交渉をしていることなどについて知られることがありません。
また、任意整理は1対1の交渉なので、交渉の相手方となる債権者と合意すれば返済計画を組みなおすことができることもメリットといえます。
リスケ交渉(任意整理)のデメリットは、法律的な強制力がないため、相手方の同意がない限りは、リスケができないことと、債権額そのものの減額が難しい点にあります。
つまり、債務や負債が、会社の売上や事業の規模に照らして、極めて過大になっている状況においては、任意整理という方法では根本的な問題解決にならないことが多いといえます。
民事再生のポイント
民事再生のポイントは以下のとおりです。
1.民事再生とは
民事再生は、債権者の同意と裁判所の認可を得て、会社の債務を圧縮し、事業を存続させる手続です。
民事再生においては、会社の事業を継続しながら、再生計画案を策定し、裁判所の関与の下で会社の債権者から再生計画への同意を取り付けます。
この再生計画により、会社の債務は大幅に減額され、減額された債務を10年を超えない期間で、会社の債権者へ弁済していきます。
再生計画に基づいた債務の弁済を完了すれば、残りの債務は免除されることになります
民事再生は、事業を存続させながら、会社の債務や負債を大幅に減額できるため、その点にメリットがある事業再建方法です。
また、民事再生の場合、裁判所が「保全処分」を出し、弁済禁止を命令することができますので、手形の不渡りや取立等を防止できます。
2.会社の債務の保証人への影響
民事再生をすれば、会社の債務は減額されますが、その場合でも、会社の債務の連帯保証人の債務は依然として残ります。
実務上は、代表者や役員は、会社の債務の連帯保証人になっていることがほとんどです。
そのため、民事再生の多くの場合、会社の債務の保証人は、個人破産または個人再生等の手続を行うことが必要となります。
3.会社の事業への影響
民事再生を行う場合、再生計画を策定し、この計画に従って債務を返済していくために、通常は、不採算部門の閉鎖や、一部の従業員の解雇などのリストラを検討する必要が出てきます。
一部の従業員の解雇にあたっては、解雇予告手当や退職金等を支払う必要がある場合もあるため、現金の準備が必要になります。
また、民事再生を行うことにより信用不安が起こり、一部の取引先とは取引が継続できなくなるおそれがあります。
つまり、民事再生を行いますと、会社に対して有する債権、請求権の多くは、民事再生手続の中で減額される債権になります。
減額に伴う信用不安や、再生計画がうまくいかないだろうという思い込み等により、今後の取引を止められることがあります。
また、民事再生を行ったこと自体で、会社の経営に対する不安が広がるため、取引先の確保が難しくなることもあります。
そのため、民事再生を行うにあたっては、当面の運転資金の準備が必要になります。
4.会社の債権者への影響
民事再生を行えば、債務者にとっては、会社の債権者からの取り立ても止まるので、会社の債務の弁済や取引先への対応に追われる現状をいったんリセットし、本業に集中することができます。
他方、会社の債権者にとっても、会社の破産と比較すれば、債権の回収額が多くなるため、民事再生はメリットがあります。
会社の破産のポイント
会社の破産のポイントは以下のとおりです。
1.会社の破産とは
会社の破産は、会社の財産、債務・負債の全額を清算し、会社そのものを消滅させる手続です。
会社の破産を行うと、会社の事業はすべて終了し、従業員もすべて解雇することとなります。
裁判所と破産管財人の関与の下で、残った会社の財産を換価し、会社の債権者に対して配当を行い、会社の債務は消滅することになります。
2.会社の債務の保証人への影響
会社が破産すると、会社の負債・債務は消滅しますが、会社の債務の連帯保証人の債務は依然として残ります。
そのため、会社が破産の手続を行う際には、会社の債務の連帯保証人であった社長や役員は、多くの場合、会社の債務の保証人は、個人破産や個人再生の手続を行うことが必要になります。
3.会社の従業員への影響
会社の破産は、会社の全ての事業を停止することが前提の手続ですので、通常、破産の申請前に、従業員は会社から解雇されることになります。
従業員の立場になってみれば、給与の未払が続いた後に、会社の経営がいよいよ行き詰まり、突如として仕事を失うよりも、会社にまだ余力があり、毎月の給与が受け取れているうちに、会社をつぶすことを告げられる方が、今後の生活設計も立てやすく、トラブルも少なくなります。
そのため、会社の財産が底をつく前に会社の破産の決断することは、会社の従業員にもメリットがあります。
4.会社の債権者への影響
会社の破産を行うと、債務の弁済や債権者の対応に追われている状況を止めることができます。
債権者にとっては自由な回収がストップし、後は、法律上の手続に従った配当を待つしか手段がなくなる反面、債権者も回収に追われることがなくなり、損金算入など一定の経理上の処理を行うことができるため、会社の破産は債権者にもメリットがあります。
▼会社の破産のメリットに関する記事はこちら▼
【倒産】【破産】【事業承継】会社の破産のメリット7点について
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三輪知雄法律事務所では、日常的に多くの顧問先企業様のご相談を頂いており、顧問弁護士としての対応経験等から、企業の実情に合わせた、資金繰りや負債の問題への対応が可能です。
無理な金策に走る前に、まずは早い段階で弁護士にご相談ください。
弁護士であれば、会社の状況を冷静かつ客観的に見極めたうえで、法的に最適な解決策をご提供することができます。
経営が危機に陥っていたとしても、会社の再建策を採ることや、取引先に対する影響を最小限にすることができるケースは多々あります。仮に会社を破産させることとなっても、後々、破産の有効性が問題にならないようにすることができます。
三輪知雄法律事務所では、会社のリスケ交渉や、会社の破産(必要に応じ、代表者の破産)や民事再生について、弁護士とスタッフが連携し、これまでに多数の案件を解決してきました。
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