会社(建設業・解体業) 度重なる債権者からの取り立てを止め、会社と代表者が同時に破産を申し立てた事例

1 相談者様の年齢、債務額、債権者数、ご要望など

相談者様の年齢、債務額、債権者数、ご要望など

・株式会社(建設業、解体業)
・総債務額 約5000万円
・50代、男性
・会社の倒産、法人破産、代表者の破産、個人破産
・総債権者数:約20社
・債権者に対する対応、破産管財人に対する対応

2 三輪知雄法律事務所へのご相談内容

相談者様は、元々、建設会社で働いておりましたが、長年現場で作業するうち、腕を見込んでくれる顧客が増えたため、5年ほど前に、解体工事や土木工事を主な業務とする会社を立ち上げ、独立しました。

当初こそ順調だったのですが、元請が別の会社の合併することになり、合併先の取引業者に発注を切り替えるようになると、徐々に売上が少なくなり、経営が苦しくなりました。

相談者様には、従業員も数名おりましたので、金融機関より貸付を受け、何とか再起しようと事業を続けましたが、思うように発注は増えませんでした。

また、知り合いの解体業者などで、社長自ら重機に乗って解体工事に従事させてもらい、少しでも売上の足しにしようと努力したものの、売上や金融機関から借り入れた金銭は、そのまま従業員の給与や、毎月発生する機械のリース料や事務所賃料、機械・資材置き場などの賃料の支払いに消えていきました。

徐々に、下請の会社にも支払いを待ってもらい、別の仕事の入金が元請よりなされてから、ようやく下請に支払うという、いわゆる「自転車操業」の経営になっていきました。

気がつけば、総債務額は、各業者への売掛金や賃料、未払給料、金融機関からの貸付金等合わせて、5000万円以上に膨れ上がっていました。

そのうち、約1500万円は、相談者の社長個人が保証人になっていました。相談者様は、毎日のように金融機関、下請業者、取引先など、債権者からの電話や督促状が来て、自分としては何とかしたいと思っていましたが、精神的に追い詰められ、夜も眠れなくなってしまいました。

そのうち、だんだん体調も悪くなってきて、仕事が手につかなくなり、ミスも増え、このままではとてもやっていけない、家族や従業員、そして取引先にも迷惑をかけ続けてしまうことになると思い、三輪知雄法律事務所へ相談することになりました。

3 三輪知雄法律事務所における法律相談とその結果

まず、相談者様は、三輪知雄法律事務所の担当弁護士に、これまでの経緯と現在の状況について説明し、どのような手続を取るのがいいか、アドバイスをもらいました。

担当弁護士への提出資料、及び倒産手続選択についての三輪知雄法律事務所の説明

三輪知雄法律事務所の法律相談で、担当弁護士が、相談者様にお聞きした内容、相談者様が担当弁護士へ説明した内容、提出した書類は、下記のとおりとなります。

会社の経営が傾いた原因・債務増加の経緯の説明

・直接、ご説明頂きました

債務に関する書類

・金融機関などからの借入金の契約書や弁済表
・各業者からの請求書
・事務所や資材置き場の賃貸借契約書
・従業員のリスト、給与台帳、未払給料に関する資料
・年金事務所や役所からの督促状

会社の経営状況と相談者様の財政状況が分かる書類

・通帳、現金の総額
・会社の資産(在庫、所有する車など)
・過去3年分の確定申告書、決算書
・相談者様自身の1ヶ月の収支(生活費、家族構成など)を簡単に記した紙

これらをご準備の上、ご相談に来ていただきました。

そして、相談者様の事例において、手続選択の際に重視したのは以下のポイントとなります。

多額の個人債務の存在

相談者様自身が債務の保証人になっていたり、個人名義でも多額の借入をしていた。連日のように、相談者様の携帯あてに、債権者からの督促がかかってくる状況にあった。

相談者様に持ち家はなく、賃貸住宅にお住まいであり、個人としての財産は多額ではなかった。

売上増加の見込み

これまで売上を少数の元請に依存していたことから、新規の元請先の開拓にも時間がかかると思われ、すぐに売上を増加させる見込みに乏しかった。

作業途中の現場の数や進捗程度

・工事途中の現場があったが、数が少なかった。

・元請から得た売上金から下請への支払はすでに行っており、破産手続の申立てを行っても、比較的、関係者に迷惑をかけずに、工事の継続は可能という見込みがあった。

生活立て直しのための手段の有無

相談者様が廃業しても、知り合いの業者の下で働き口を見つけることができており、一定の収入の見込みがあった。

・弁護士からの通知を債権者宛に早急に送付し、債務の支払を止め、早期に相談者様の生活を再建する必要があった。

以上のような事情をふまえ、相談者様の場合は、民事再生ではなく、就労安定化により早期に相談者様の生活の立て直しを行うことを優先し、会社と代表者個人を合わせて破産手続を行うという方針になりました。

弁護士に、破産手続に必要な費用(裁判所予納金、実費)と弁護士費用を見積もってもらったところ、何とか相談者様と奥様の預貯金で支払えることが分かりましたので、ご依頼となりました。

三輪知雄法律事務所の対応による結果

委任後、即日、三輪知雄法律事務所の担当弁護士が、各債権者へ自己破産の準備に入ったこと、すべての連絡窓口が担当弁護士となること、相談者様には一切、連絡をしないことを求める通知書(受任通知)を送付しました。

これにより、窓口が弁護士へ変更され、相談者様には債権者から直接連絡や請求が来なくなりました。しかし、相談者様と付き合いが長い業者などは、その後も連絡があったりしたため、担当弁護士から直接電話のうえ、再度通知書を送るなどしたところ、取り立てはやみました。

正直、相談者様もご家族も参っていたので、これ以降、心にも体にも余裕ができ、普段通りの日常生活が送れるようになったようでした。

受任通知の発送後、担当弁護士から相談者様に対し、日常生活の過ごし方についてアドバイスを行いました。

・債権者からの連絡、その他には一切対応しないこと(債務の支払は当然、行わない)。
・新たな借入をしない(クレジットカードの使用など含む)

クレジットカードは、受任通知を発送することで解約されますが、ETCカードは車に設置されているとそのまま自動で使用されてしまうことがあるため、特に気をつけるようにアドバイスを行いました。

裁判所に提出する書類の作成などは、すべて担当弁護士と事務所スタッフにて行い、相談者様の方で何かをするということは、ほぼありません。

相談者様が行うこととしては、担当弁護士より、口座の入出金について用途をメモでまとめたり、破産の経緯について補充的な確認を行うので、それについて答えるくらいです。

最終的には、担当弁護士と事務所スタッフで債権者一覧表を取りまとめたり、破産に至る事情説明書等を作成してもらい、内容に間違いがないか確認しました。

その上で、三輪知雄法律事務所より、裁判所に所定の書類と資料を提出し、裁判所に納める予納金の最終的な金額を確認・納入することにより、無事、破産申立てが完了します。

本件では、受任通知の発送から申立まで約2ヶ月程度でした。打ち合わせは、最初の法律相談を含めてわずか3回で終わりました。
その他、電話、メール、郵送などで適宜やり取りを行いますので、相談者様が転職直後の忙しい時期でも、無理なく対応して頂くことができました。

破産手続を裁判所に申し立てた後の「管財人対応」や「債権者集会」なども、三輪知雄法律事務所がサポートを行います

破産手続の申立後、裁判所は申し立てられた破産手続の適法性などを調査するため、「破産管財人」という役職の弁護士を選任します。

本件では、事業停止直前の会社の債務の支払状況についてなど、破産管財人からの確認事項がいくつかあり、管財人の弁護士の事務所に来所するように指示がなされました。

裁判所に破産手続を申し立てた後、裁判所や管財人からの調査要請などに誠実に応じない場合には、裁判所や管財人から調査事項について疑念を持たれ、手続の進行に悪影響を及ぼす可能性がありますので、誠実に対応しなければなりません。

もちろん、管財人の弁護士事務所での打ち合わせについても、三輪知雄法律事務所の担当弁護士が相談者様に同行し、会社の行為の正当性を主張し、破産管財人からの調査要請にしっかりと対応致しました。

その後、裁判所で「債権者集会」という、破産に至った事情や破産手続中の会社の財産、債務状況について債権者や裁判所に説明をする会が開催されることになります。

これについても、三輪知雄法律事務所の担当弁護士が同席しフォローするなど、破産手続が完了し、債務が消滅するまで必要な対応を行うことになります。

新しい人生を始めることができた

相談者様は、三輪知雄法律事務所に相談するまでは、多額の借金や負債を抱えながら一人で悩む苦しい日々であったかと思います。

しかし、相談後は、苦しみや悩みは、三輪知雄法律事務所に預け、ややこしい手続はすべて三輪知雄法律事務所の担当弁護士や事務所スタッフにて対応してもらい、最後には、破産手続を経て、晴れて免責許可決定(負債が帳消しになること)を得ることができます。

破産の申立てが、新しい職場や仕事、家族に影響することはまずありませんので、安心してご相談ください。

4 三輪知雄法律事務所の担当弁護士からのコメント

自己破産を先延ばしにするメリットは少ない

担当弁護士:三輪 知雄

会社を倒産、破産させるかどうかは、とても難しい決断だと思います。愛着のある会社を畳まなければいけませんし、従業員や債権者にも迷惑が掛かります。また、費用等の問題で、本当に倒産や破産ができるのか、不安に感じることもあるかと思います。

しかしながら、会社の経営が悪化し、改善の見込みが乏しい状態にもかかわらず、単に会社の倒産や破産を先延ばしするようなことにメリットは多くありません。

資金繰りのためだけに、“返済の当てのない”借入を受けたとして、再起できるかどうかは分かりませんし、返済や支払の見込みがない借入や仕入を行うことで、債権者や関係者に今以上の迷惑がかかります。

将来の不安や、資金繰りの苦労による経営者の精神的・肉体的な負担も大きく、場合によっては、うつ状態になったり、病を患ってしまうケースもあります。そうなれば、家族にもっと苦労をかけることになります。

追い詰められる前に、三輪知雄法律事務所へ相談してください。何十社と会社の倒産、破産手続や破産管財人の経験がありますので、会社の経営状況、ご本人の事情、債務増加の経緯から、会社と経営者にとって「何が最善か」、的確なアドバイスをすることができます。

会社の倒産手続には様々な種類があり、三輪知雄法律事務所では、破産・民事再生・M&A、いずれも対応可能です

本件の場合は、「会社の資産が少ない」、「今後直ちに受注が増える見込みがない」、「債務額がかなりの金額で、最終的に完済できる可能性が低い」、「連帯保証人に相談者様個人が設定され、個人名義でも借入を行っている」という状況でしたので、会社及び相談者様の個人、いずれについても破産手続を行うことをお勧めさせていただきました。

相談者様に持ち家がある場合、「個人再生」という手続を取り、一定の減額された債務を原則3年間に渡って支払うことで、持ち家を手放さずに済むことができますが、今回の相談者様の場合は持ち家はなく、その他も大きな財産がないとのことでしたので、免責許可が下りれば借金の返済が必要なくなる、破産手続を選択しました。

なお、債務の総額が分からず、会社を破産・倒産させた方がよいのか、事業再生・民事再生を検討した方がよいのか、M&Aなどの手法を検討するのがよいか、どのような手続を選択するかお悩みの場合でもご相談ください。

三輪知雄法律事務所には、税理士資格を有する弁護士がおり、事業の再生やM&Aを選択する場合でも、会社の税理士の先生と連携して対応が可能となっております。

破産手続は弁護士に依頼しましょう

破産申立てについては、自分自身で行うこともできなくはありませんが、債権者に対して自分で対応しなければならず、現実的ではありません。

また、破産にかかる弁護士費用を節約したとしても、結局、法人の預貯金はすべて債権者へ配当されるため、法人破産の費用を節約することはあまり意味がありません(個人の預貯金も一定金額以上は債権者へ配当されます)。

裁判所への予納金、三輪知雄法律事務所の費用の目安

本事例の会社の破産、代表者様個人の破産に関する裁判所の予納金、三輪知雄法律事務所の弁護士費用は、以下のとおりです。 

裁判所への予納金

約50万円(法人40万円、個人10万円)+官報公告費用

(破産手続に先だって裁判所へ納める金額となります)

※令和2年4月現在、総債務額1億円未満の名古屋地方裁判所の管財事件の予納金の基準は、法人60万円、個人40万円。

三輪知雄法律事務所の弁護士費用

約70万円程度(法人約50万円、個人約20万円)

※これらの金額は、あくまで参考のためにお示しするものです。

※裁判所への予納金は、裁判所の判断により異なります。
弁護士費用については、会社の規模、総債務額、債権者数などにより異なってきますので、詳細は三輪知雄法律事務所までお尋ねください。

財産を隠して破産手続を行った場合・・

財産や債権者について、一部を隠したり、報告が漏れていたことが後から発覚した場合には、破産や免責(借金が帳消しになること)の効力に影響が出る可能性があります。

特に、財産を隠して破産の手続きをすることは、法律上厳罰が科され、破産手続自体も取り消される危険があります。

三輪知雄法律事務所では、ご依頼後に財産を隠していたことが判明した場合は、委任契約を解除させて頂きます。

5 三輪知雄法律事務所の会社の倒産・破産申立に強い弁護士へのお問い合わせ

三輪知雄法律事務所の「会社の倒産・破産申立」へのお問い合わせは、以下の「電話番号(受付時間・平日 9:00~18:00)」にお電話いただくか、メールフォームによるお問い合わせも受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。